マジックオリジンのリミテッド考察
2015年7月18日 シールドとドラフトではかなり違いも出てくると思うが、全体的な考察を書いてみる。
1、最強色は何か
筆者の考える最強色は白である。白と何の色を組み合わせるかが、基本的にこの環境で勝ちに行く方法だ。この事情は、「2マナ域と3マナ域の断絶」「高名」「除去の品質」の3つの要素による。
1−1 2マナ域と3マナ域の断絶
オリジン環境ではプレイアブルな2マナ域と3マナ域に断絶がある。プレイアブルとは「P/Tのいずれかが2以上」「回避能力がある」「その他ボーナスがある」などの要素を持つものだ。そこに問題があるということは、普通のリミテッドのセオリーである「2マナ域に5〜6枚のクリーチャー」という命題を満たすことが難しい場合があることを意味する。
このとき、より考慮すべきは除去耐性である。赤が持つ最高の除去である《焦熱の衝動》の2点火力を回避できないのはしょうがないとして、問題は黒3マナ域である《眼腐りの暗殺者》を割けることができるかだ。これはCIPで対象を-1/-1する。したがってタフネス1は相対的に脆くなっているという前提からスターとすべきだ。
上記を前提にすると重要になってくるのは1マナ域のプレイアブルだ。1マナでもパワーが1あればタフネス1とは相打ちになる、というのは当然にしても、2マナ域が弱いということは1マナ域がクロックになるということだ。
これを踏まえて各色の陣容を検討してみよう。
白C1 1/1 アクロスの看守 タッパーだが能力が重い
白C1 0/4 鋤引きの雄牛 壁としてはかなりの信頼
白U1 1/1 勇者の選定師 タップ強化が非常に強い
白M1 2/1 アクロスの勇者、キテオン 強い
白C2 2/2 前線の僧侶 2/2に回復がついてくる 基準
白C2 2/2 トーバの自由刃 警戒+高名 強い
白C2 1/1 悟った苦行者 サイドカード
白U2 2/1 領事補佐官 先制+高名+全体強化 強すぎ
白R2 2/2 白蘭の騎士 先制+土地サーチ 強い
青C1 1/1 フェアリーの悪党 2枚目が無いと弱い
青C2 1/3 臨海の護衛 壁としては有用
青C2 2/1 金切り声のスカーブ 基準より弱い
青C2 0/3 印象持ちのヒトデ 占術は使える
青R2 2/2 潮流の先駆け 強い
青M2 0/2 ヴリンの神童、ジェイス 強い
黒C1 1/2 茨弓の射手 実質2点クロック 最強
黒U1 1/1 節くれの罠師 黒緑なら
黒C2 1/2 悪臭のインプ 羽ばたきが止まる+接死
黒C2 2/3 よろめくグール タップ入場以外は最高
黒U2 1/1 マラキールの選刃 意外と弱い
黒R2 3/1 魂の略奪者
赤C1 1/1 ふいごトカゲ パンプが重い
赤U1 1/1 ゴブリンの栄光追い 高名威迫 出れば強い
赤C2 2/2 魔道士輪の暴漢 MAだが基本値はある
赤C2 2/1 地底の斥候 高名と組み合わせれば
赤R2 2/1 ケラル砦の修道院長
赤R2 1/2 ゴブリンの群衆追い
緑C1 1/1 苛性イモムシ サイドカード
緑R1 1/1 名誉ある教主
緑C2 1/1 エルフの幻想家 カードを引ける壁
緑C2 2/1 葉光らせ マナ能力は強い
緑C2 2/2 森林群れの狼 数が揃いにくい
緑U2 2/2 ドゥィネンの精鋭 エルフがいれば最強
緑U2 2/2 地底街のトロール 再生つき とても強い
緑R2 2/2 万神殿の伝令
アC1 2/1 結束した構築物 3T目まで攻撃できない
アC2 2/2 ルーンの苦役者 基本スペック
領事補佐官だけは例外だが(これを取れたら白をやる理由になる)、P/Tが2/2以上のコモンを最高点にして左寄せにしてみた。神話やレアは引けない前提としている。
こうして見ると、ウィニーの質が高いのは明らかに白であり、高名が多いので一回攻撃が通ると一回り大きくなる他、様々なボーナス能力も多い。次善は黒と赤だ。射手とグールは白いブロッカーがいなければ非常に硬いクロックにも壁にもなる。赤は暴漢を基本に、栄光追いと斥候を合わせるようなことができれば都合がよいが、むしろ白か黒と組んだ方が戦線が厚くなる。
緑は強いカードがアンコモンに固まっているのがネックだ。エルフシナジーで2マナ域を構成しないのであれば、もっと強い3マナ域に潰される可能性がある。葉光らせは極めて有用だがタフネス1の危険性は強調されてよい。トロールも強いが、再生コストの3マナがネックで、高名があるとはいえ、高マナ域に繋げるための時間稼ぎだと考えて使うべきで、序盤に攻勢をかけるカードではない(しかし、逆に言えば相手の2マナ域がヌルい場合は、いきなり強力な再生持ちができあがる)。
本項は2マナ域と3マナ域の断絶を問題にしているが、それは2マナ域を中心とする序盤の展開でどれくらいイニシアチブを取れるかが問題になっているのだと言い換えられる。こうなると、先制攻撃と高名(そして全体強化)を併せ持つ領事補佐官が最強となり、かつ同じような傾向の2マナ域や、2T目には動くことができる強化クリーチャーの勇者の選定師がいる白が最強だと言うことができると思われる。
1−2 高名
高名は白赤緑が持つキーワード能力である。白赤はウィニーが中量級になり、緑ではもっぱら中量級がファッティになる動きとなる。狂喜と似ているが、高名になるとサイズアップ以外にボーナスがつくことや、高名状態を対象とするスペルがあることに特徴がある。
タルキール環境での長久が、当初の下馬評に反してリミテッドでは極めて厄介な能力だったことは記憶に新しいが、繰り返してカウンターを増やすことこそできないとはいえ、マナコストなしにサイズアップする能力が強いのは類推できるはずである(というかまさに狂喜がそうである)。
上記に概観した通りだが、低マナ域にはタフネス3以上のクリーチャーが非常に少ない。そのため、先制攻撃持ちの存在感は非常に大きい。白と赤がこれに該当するが、赤の先制持ちは3マナからだ。
また3マナ域を射程にいれても、パワー3以上のカードは実に8枚/32枚である。ということは、
・2/2先制攻撃≒3/3(高名済)
という感じの生存能力を持つことになる。そしてまかり間違って3/3先制攻撃などになってみれば、もうコンバットで排除するのは神話/レアを除けば5マナ域まで不可能に近い。
また、高名するということはクロックが早まるということだ。
パワー2の場合は2+3*6の、7Tのクロックになる。
パワー3の場合は3+4*4の、4Tクロックになる。
早いターンからクロックをかけることが分かりやすい戦略であるのは言うまでもないだろう(コントロール戦略で勝つ方法はここでは考慮しない)。
また茨弓の射手が強いのは実質1T目から高名している状態の2Tクロックだからだ。1マナ2/2が強いのは自明である。
1−3 除去の品質
クロックをかけるにも高名を通すにも重要なのは回避能力と除去の品質だ。自力で先制攻撃や飛行を持っている場合は単に殴ることが可能だし、エンチャントや装備品で強化して一方的に打ち取ることができる状況を作ることも有用である。相手が1/1程度のか細いブロッカーしか用意できていない場合、2/2以上のステータスであるだけで高名化できる可能性が高まるし、チャンプブロックされてもアドバンテージを稼げる。
白は2枚の最高の除去である1白《迅速な報い》と3白《抑制する戒め》がある。どちらも高名を通すには使いにくいが、サイズ勝ちもしくは先制による突破という基礎力で戦線を構築しながら、盤面をひっくり返されるファッティをそれぞれ1枚で対処できるところに強みがある。
とはいえ、除去に関しては他色に力を借りるのが王道だろう。とするとパートナーは赤と黒が妥当である。赤は1マナ域に《焦熱の衝動》があり、コンバットと組み合わせればほぼ全ての生物を突破できる。黒はもっと都合よくパワー3以下を破壊する1黒《魂裂き》があり、3マナ以下の全てのカードに対処可能である。また2黒に《眼腐りの暗殺者》がいるため、高名生物がいる状態では事実上相手に1:2交換を迫ることが可能だ。
緑の除去は3緑の格闘になるのがやや悠長であり、青は《閉所恐怖症》という最強の除去があるものの、1青青という色拘束や、1:1交換の弱み、3T目を全て消費してしまうテンポの悪さなどに不満が残る。どんなデュエルでも序盤がある以上、したがって、白赤もしくは白黒が最強のアーキタイプではないかと思われる。
2、取るべきアーキタイプは何か
多色環境ではないオリジン環境において、アーキタイプとは、どの組み合わせで2色デッキを作るかということになる。筆者の考えでは、上記に述べた白絡みも含めて、以下のアーキタイプがありうると思われる。
(1)白赤
(2)白黒
(3)黒緑
(4)赤青(トークン)
(5)全ての色に対するt緑
黒青もあるようだが筆者は組み方がよく分からない。
(1)白赤
ウィニー+赤い除去だが、強いのは強化エンチャントを貼って殴ることだ。特に回避能力持ちに貼るのがよい。枚数を確保できれば《伝染性渇血症》は最高の武器である。
(2)白黒
これまたウィニー+除去だが、除去のバリエーションが赤よりも多い。序盤から終盤まで黒の除去は信頼できるほか、神話アンコモンである《過去の過ち》が取れるのが大きい。《過去の過ち》と《領事補佐官》はゲームを決める9点レベルのカードである。《衰滅》という環境最強のリセットがある他、《血による聖別》で飛行クロックが作れることも見逃せない。
(3)黒緑エルフ
黒の除去の厚さに加え、エルフシナジー、エルフボーナスが非常に強力。かつ緑にはゲームを決めるファッティが豊富にある。
(4)赤青トークン
コモン・アンコモン・レアと全域にトークンを生み出すクリーチャーが満面なく存在しており、ボードアドバンテージを取ることができる。ナラ―夫妻がいることが望ましいが、全体強化アーティファクトで攻めることも有効。黒の全体除去だけはケアしたい。
(5)全ての色に対するt緑
2マナ域最強が《領事補佐官》だとすれば、オールクリーチャーベストは4緑《ロウクスのやっかいもの》だ。うっかりマナクリなどから4T目などに出てきたらゲームエンドに近い。4/4トランプルはほぼ確実な高名2を保証している。さらに少し欲張れば4緑緑《空網蜘蛛》や、レアではあるものの、約束された12/12である3緑緑《辺境地の巨人》を投入することも可能だ。
※要注意カード
・魔道士輪の対応者 無色7マナ7/7で相手のターンにアンタップできるのはもはやデメリットではない。対応できるカードがほとんどないため見たらカット、というか入れる。
・青の2枚のファッティ
これらのために青をタッチする可能性も考えられなくはないが、スペルの弱さが気になるためなかなかしないだろう。ということは卓1〜2の青がこのファッティをがめるということであり、これらに対処するためには白か黒の除去が必須になる。6マナ揃ったら要注意だが、揃ってから注意しても無駄なので、除去を持っていないならせめて飛行を揃えておく必要がある。
……逆に青いアーキタイプは、これらのファッティをガメて、6ターン目まで耐え忍び確実にこれらのクリーチャーを出していくという戦略になるのかもしれない。
上記の戦略を取ったことにより、環境初期としては
プレリ2-1 黒緑エルフ
プレリ4-0 白赤ウィニー
プレリ3-1 白黒ウィニー
ドラフト 3-0 白黒ウィニー
の成果を上げることができた。この方針の検証をもう少し続けていこうと思う。
1、最強色は何か
筆者の考える最強色は白である。白と何の色を組み合わせるかが、基本的にこの環境で勝ちに行く方法だ。この事情は、「2マナ域と3マナ域の断絶」「高名」「除去の品質」の3つの要素による。
1−1 2マナ域と3マナ域の断絶
オリジン環境ではプレイアブルな2マナ域と3マナ域に断絶がある。プレイアブルとは「P/Tのいずれかが2以上」「回避能力がある」「その他ボーナスがある」などの要素を持つものだ。そこに問題があるということは、普通のリミテッドのセオリーである「2マナ域に5〜6枚のクリーチャー」という命題を満たすことが難しい場合があることを意味する。
このとき、より考慮すべきは除去耐性である。赤が持つ最高の除去である《焦熱の衝動》の2点火力を回避できないのはしょうがないとして、問題は黒3マナ域である《眼腐りの暗殺者》を割けることができるかだ。これはCIPで対象を-1/-1する。したがってタフネス1は相対的に脆くなっているという前提からスターとすべきだ。
上記を前提にすると重要になってくるのは1マナ域のプレイアブルだ。1マナでもパワーが1あればタフネス1とは相打ちになる、というのは当然にしても、2マナ域が弱いということは1マナ域がクロックになるということだ。
これを踏まえて各色の陣容を検討してみよう。
白C1 1/1 アクロスの看守 タッパーだが能力が重い
白C1 0/4 鋤引きの雄牛 壁としてはかなりの信頼
白U1 1/1 勇者の選定師 タップ強化が非常に強い
白M1 2/1 アクロスの勇者、キテオン 強い
白C2 2/2 前線の僧侶 2/2に回復がついてくる 基準
白C2 2/2 トーバの自由刃 警戒+高名 強い
白C2 1/1 悟った苦行者 サイドカード
白U2 2/1 領事補佐官 先制+高名+全体強化 強すぎ
白R2 2/2 白蘭の騎士 先制+土地サーチ 強い
青C1 1/1 フェアリーの悪党 2枚目が無いと弱い
青C2 1/3 臨海の護衛 壁としては有用
青C2 2/1 金切り声のスカーブ 基準より弱い
青C2 0/3 印象持ちのヒトデ 占術は使える
青R2 2/2 潮流の先駆け 強い
青M2 0/2 ヴリンの神童、ジェイス 強い
黒C1 1/2 茨弓の射手 実質2点クロック 最強
黒U1 1/1 節くれの罠師 黒緑なら
黒C2 1/2 悪臭のインプ 羽ばたきが止まる+接死
黒C2 2/3 よろめくグール タップ入場以外は最高
黒U2 1/1 マラキールの選刃 意外と弱い
黒R2 3/1 魂の略奪者
赤C1 1/1 ふいごトカゲ パンプが重い
赤U1 1/1 ゴブリンの栄光追い 高名威迫 出れば強い
赤C2 2/2 魔道士輪の暴漢 MAだが基本値はある
赤C2 2/1 地底の斥候 高名と組み合わせれば
赤R2 2/1 ケラル砦の修道院長
赤R2 1/2 ゴブリンの群衆追い
緑C1 1/1 苛性イモムシ サイドカード
緑R1 1/1 名誉ある教主
緑C2 1/1 エルフの幻想家 カードを引ける壁
緑C2 2/1 葉光らせ マナ能力は強い
緑C2 2/2 森林群れの狼 数が揃いにくい
緑U2 2/2 ドゥィネンの精鋭 エルフがいれば最強
緑U2 2/2 地底街のトロール 再生つき とても強い
緑R2 2/2 万神殿の伝令
アC1 2/1 結束した構築物 3T目まで攻撃できない
アC2 2/2 ルーンの苦役者 基本スペック
領事補佐官だけは例外だが(これを取れたら白をやる理由になる)、P/Tが2/2以上のコモンを最高点にして左寄せにしてみた。神話やレアは引けない前提としている。
こうして見ると、ウィニーの質が高いのは明らかに白であり、高名が多いので一回攻撃が通ると一回り大きくなる他、様々なボーナス能力も多い。次善は黒と赤だ。射手とグールは白いブロッカーがいなければ非常に硬いクロックにも壁にもなる。赤は暴漢を基本に、栄光追いと斥候を合わせるようなことができれば都合がよいが、むしろ白か黒と組んだ方が戦線が厚くなる。
緑は強いカードがアンコモンに固まっているのがネックだ。エルフシナジーで2マナ域を構成しないのであれば、もっと強い3マナ域に潰される可能性がある。葉光らせは極めて有用だがタフネス1の危険性は強調されてよい。トロールも強いが、再生コストの3マナがネックで、高名があるとはいえ、高マナ域に繋げるための時間稼ぎだと考えて使うべきで、序盤に攻勢をかけるカードではない(しかし、逆に言えば相手の2マナ域がヌルい場合は、いきなり強力な再生持ちができあがる)。
本項は2マナ域と3マナ域の断絶を問題にしているが、それは2マナ域を中心とする序盤の展開でどれくらいイニシアチブを取れるかが問題になっているのだと言い換えられる。こうなると、先制攻撃と高名(そして全体強化)を併せ持つ領事補佐官が最強となり、かつ同じような傾向の2マナ域や、2T目には動くことができる強化クリーチャーの勇者の選定師がいる白が最強だと言うことができると思われる。
1−2 高名
高名は白赤緑が持つキーワード能力である。白赤はウィニーが中量級になり、緑ではもっぱら中量級がファッティになる動きとなる。狂喜と似ているが、高名になるとサイズアップ以外にボーナスがつくことや、高名状態を対象とするスペルがあることに特徴がある。
タルキール環境での長久が、当初の下馬評に反してリミテッドでは極めて厄介な能力だったことは記憶に新しいが、繰り返してカウンターを増やすことこそできないとはいえ、マナコストなしにサイズアップする能力が強いのは類推できるはずである(というかまさに狂喜がそうである)。
上記に概観した通りだが、低マナ域にはタフネス3以上のクリーチャーが非常に少ない。そのため、先制攻撃持ちの存在感は非常に大きい。白と赤がこれに該当するが、赤の先制持ちは3マナからだ。
また3マナ域を射程にいれても、パワー3以上のカードは実に8枚/32枚である。ということは、
・2/2先制攻撃≒3/3(高名済)
という感じの生存能力を持つことになる。そしてまかり間違って3/3先制攻撃などになってみれば、もうコンバットで排除するのは神話/レアを除けば5マナ域まで不可能に近い。
また、高名するということはクロックが早まるということだ。
パワー2の場合は2+3*6の、7Tのクロックになる。
パワー3の場合は3+4*4の、4Tクロックになる。
早いターンからクロックをかけることが分かりやすい戦略であるのは言うまでもないだろう(コントロール戦略で勝つ方法はここでは考慮しない)。
また茨弓の射手が強いのは実質1T目から高名している状態の2Tクロックだからだ。1マナ2/2が強いのは自明である。
1−3 除去の品質
クロックをかけるにも高名を通すにも重要なのは回避能力と除去の品質だ。自力で先制攻撃や飛行を持っている場合は単に殴ることが可能だし、エンチャントや装備品で強化して一方的に打ち取ることができる状況を作ることも有用である。相手が1/1程度のか細いブロッカーしか用意できていない場合、2/2以上のステータスであるだけで高名化できる可能性が高まるし、チャンプブロックされてもアドバンテージを稼げる。
白は2枚の最高の除去である1白《迅速な報い》と3白《抑制する戒め》がある。どちらも高名を通すには使いにくいが、サイズ勝ちもしくは先制による突破という基礎力で戦線を構築しながら、盤面をひっくり返されるファッティをそれぞれ1枚で対処できるところに強みがある。
とはいえ、除去に関しては他色に力を借りるのが王道だろう。とするとパートナーは赤と黒が妥当である。赤は1マナ域に《焦熱の衝動》があり、コンバットと組み合わせればほぼ全ての生物を突破できる。黒はもっと都合よくパワー3以下を破壊する1黒《魂裂き》があり、3マナ以下の全てのカードに対処可能である。また2黒に《眼腐りの暗殺者》がいるため、高名生物がいる状態では事実上相手に1:2交換を迫ることが可能だ。
緑の除去は3緑の格闘になるのがやや悠長であり、青は《閉所恐怖症》という最強の除去があるものの、1青青という色拘束や、1:1交換の弱み、3T目を全て消費してしまうテンポの悪さなどに不満が残る。どんなデュエルでも序盤がある以上、したがって、白赤もしくは白黒が最強のアーキタイプではないかと思われる。
2、取るべきアーキタイプは何か
多色環境ではないオリジン環境において、アーキタイプとは、どの組み合わせで2色デッキを作るかということになる。筆者の考えでは、上記に述べた白絡みも含めて、以下のアーキタイプがありうると思われる。
(1)白赤
(2)白黒
(3)黒緑
(4)赤青(トークン)
(5)全ての色に対するt緑
黒青もあるようだが筆者は組み方がよく分からない。
(1)白赤
ウィニー+赤い除去だが、強いのは強化エンチャントを貼って殴ることだ。特に回避能力持ちに貼るのがよい。枚数を確保できれば《伝染性渇血症》は最高の武器である。
(2)白黒
これまたウィニー+除去だが、除去のバリエーションが赤よりも多い。序盤から終盤まで黒の除去は信頼できるほか、神話アンコモンである《過去の過ち》が取れるのが大きい。《過去の過ち》と《領事補佐官》はゲームを決める9点レベルのカードである。《衰滅》という環境最強のリセットがある他、《血による聖別》で飛行クロックが作れることも見逃せない。
(3)黒緑エルフ
黒の除去の厚さに加え、エルフシナジー、エルフボーナスが非常に強力。かつ緑にはゲームを決めるファッティが豊富にある。
(4)赤青トークン
コモン・アンコモン・レアと全域にトークンを生み出すクリーチャーが満面なく存在しており、ボードアドバンテージを取ることができる。ナラ―夫妻がいることが望ましいが、全体強化アーティファクトで攻めることも有効。黒の全体除去だけはケアしたい。
(5)全ての色に対するt緑
2マナ域最強が《領事補佐官》だとすれば、オールクリーチャーベストは4緑《ロウクスのやっかいもの》だ。うっかりマナクリなどから4T目などに出てきたらゲームエンドに近い。4/4トランプルはほぼ確実な高名2を保証している。さらに少し欲張れば4緑緑《空網蜘蛛》や、レアではあるものの、約束された12/12である3緑緑《辺境地の巨人》を投入することも可能だ。
※要注意カード
・魔道士輪の対応者 無色7マナ7/7で相手のターンにアンタップできるのはもはやデメリットではない。対応できるカードがほとんどないため見たらカット、というか入れる。
・青の2枚のファッティ
これらのために青をタッチする可能性も考えられなくはないが、スペルの弱さが気になるためなかなかしないだろう。ということは卓1〜2の青がこのファッティをがめるということであり、これらに対処するためには白か黒の除去が必須になる。6マナ揃ったら要注意だが、揃ってから注意しても無駄なので、除去を持っていないならせめて飛行を揃えておく必要がある。
……逆に青いアーキタイプは、これらのファッティをガメて、6ターン目まで耐え忍び確実にこれらのクリーチャーを出していくという戦略になるのかもしれない。
上記の戦略を取ったことにより、環境初期としては
プレリ2-1 黒緑エルフ
プレリ4-0 白赤ウィニー
プレリ3-1 白黒ウィニー
ドラフト 3-0 白黒ウィニー
の成果を上げることができた。この方針の検証をもう少し続けていこうと思う。
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